施工例 Works

建築家からのメッセージ

周囲を樹木に囲まれた立地に夫婦二人の「終の棲家」を計画しました。床面積は大きくありませんが、一つの大らかな屋根の下、全体が繋がったパブリックな空間とプライベートな個室で構成されています。他者の目線を気にする必要のない三方向に少しずつ開けたプランになっており、「遠くから眺める窓」「近づいて外を伺う窓」「一段上がった腰掛ける場所」や、「すこし閉鎖的な、床に転がる場所」など、季節や時間によって居心地の変化する幾つかの場所を用意しました。黒いボックスが屋根を支えるというシンプルな空間構成とする一方、「ものが溢れてきても散らかった印象にならないように」との要望を受け、建具や家具は厚みや奥行を持つ、やや武張った装飾を施し、乱雑さを許容するような空間となっています。（窪江健）