施工例 Works

通り道の家

  • 浜北区
  • おしゃれ | モダン
周りの視線を気にせず開放的に暮らす中庭のある住まい

個性的 黒 光の演出 無垢 設計/光本直人[ 株式会社ミハデザイン一級建築士事務所 ]

建築家からのメッセージ

古くからある農家とその農地を切り売りして建てられた新しい住宅とが混在する地域にある。 周辺の道路は細く農道をそのままトレースしたかのように入り組んでいるが、宅地はゆったりと広がりかつて畑や何でもない原っぱだったことが容易に想像のつく環境である。クライアント夫婦は庭での生活を楽しみながら子育てをしたいと、大きなのんびりしたこの土地を選んだ。長細い三角形の端をカットしたような敷地形状で、西側は市道、北側は隣家数軒の共有路、南側はかつて農道だった曖昧な存在の斜めに通り抜ける法外道路、と一辺を除きすべてみちに接している。それら性格の異なるみちと庭の関わりを考え建物の配置を決めていった。 西側の市道は写真スタジオのエントランスが面し、そのまま建物は庭にそって屈折しながら向こう側の庭までつながる。子どもたちの登下校、畑仕事・神社への行き帰りなど、地域に住む人々が昔から日常的に使ってきた南側の法外道路には写真スタジオとリビングが面し、リビングにはそのまま中に入るには躊躇するけれど縁側のように座るにはちょうど良い高さの窓を設けている。また、敷地の唯一隣家と接する部分はキッチンとダイニングの庭とし、テラスでの食事・洗濯物干しなどよりプライベートな使い方ができるようにと庭それぞれを性格付けし、みちとの関わり方を変えている。 そして周辺に合わせてヴォリュムを抑えるよう全体に架けた勾配屋根のトップ下に2階の床を配置している。構造は外周部が木造の在来工法、内部は2*4工法の木造のハイブリッド工法となっており、2*10の奥行きのある柱にはクライアント自ら棚を設置し、本やCD、置物などを収納している。 この立地と写真スタジオというパブリックな要素もあることで、地域住民にとっても身近な存在になっていくこと期待したが、原っぱのようなにわと通りみちの間には何の境もなく、近所の子どもたちがわらわらと集まり、建設時に出た土をそのまま積み上げた小山で遊んだりと既になじみの場所になっているようである。(光本直人)

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